「4年後にオリンピックの決勝でアメリカと対戦して金メダルをとる」
リオデジャネイロオリンピックの後に、そう、宣言した日本女子バスケットボールチームのヘッドコーチ、トム・ホーバスさん。
ことばの通り、2020東京オリンピックで日本女子バスケットボールチームはアメリカと決勝で闘いました。
結果は15点差で負けて銀メダルでしたが、日本女子バスケットボールチームには快挙です。
日本女子バスケットボールチームが銀メダルを取れたのは、もちろん、厳しい練習と鍛錬のたまものかもしれませんが、それだけではないのです。
それは、トム・ホーバスさんのことば。
トム・ホーバスさんの選手にかけることばのマジックについて、迫ってみました。

コミュニケーションは全て日本語で
トム・ホーバスさんは通訳をつけません。
それは、選手時代に通訳さんが話しているところを見て、ことばの意味が微妙に違いが出てくること感じたからです。
また、通訳をつけると話した時に選手は通訳さんの方を向く、それでは、選手とのコミュニケーションが十分にとれず、信頼関係も築きにくいのです。
だから、自分で話せばいいと思ったのです。
「多少の違いがあっても、自分の言葉で伝える方がインパクトがある。」という信念です。
いや、すごいですね。
しかも、ことばの持つ本来の力をしっかりと信念としてもっておられることは素晴らしいです。
何故日本語が上手なの?
トム・ホーバスさんのプロバスケットボール選手としての活躍は1990年~2000年の10年間ですが、そのほとんどが日本です。
また、プロを引退後はアメリカに帰国して、一般企業で働いてますが、2010年に女子Wリーグのコーチに就任したことをきっかけに日本でバスケットボールコーチをするようになり、選手時代を含めて20年を日本で過ごしているのです。
だからと言って、自然と覚えたわけではありません。
独学で努力をして身に着けられました。
よく聞いて、たくさん人に話しかけ、アプリや教本で学んで覚えています。
文で表現すると一文ですが、やるとなるとなかなかできるものではありません。
選手に話した名言の数々
トム・ホーバスさんは敬語で、たまには熱くなりながら選手たちに直接ことばをかけてきました。
誰かのためでなく、自分のためのオリンピックを戦いなさい
厳しい練習に我がままひとつ言わずについてきた、日本女子バスケットボールチームの選手たち。
トム・ホーバスさんも日本の選手はわがままを言わずに練習することを感心しています。
そんな、彼女たちを信頼して、心から尊敬しているからこそ言えたことばではないかと思います。
そして、それに応えるように選手たちもトム・ホーバスさんを信頼しているからこそ銀メダルにつながったのではないでしょうか。
僕は、本当に金メダルを取れるという気持ちが心からあります。
これを聞いた選手はどんな気持ちだったでしょうか?
「絶対に、金メダルは取れるんだ」と思いますよね。
今回の大会で日本女子バスケットボールチームは身長だけでいえば、低い方から2番目です。
でも強豪アメリカとの決勝前に信頼するコーチがメディアに対してインタビューで「自分の力を信じていないなら、何もできないと思います。」と答える様子は何よりも力になったことだと思います。
もう、感動でしかない。
勝つことが一番楽しい
これも、ここだけ聞くと「?」という感じなんですが、
日本女子バスケットボールチームがどこのチームよりも練習をしてきたという努力の裏付けがあるからこそ言えるトム・ホーバスさんのことばだと知ると奥が深いです。
「楽しい練習はない」ということばも他に応用して考えることができますね。
スーパースターはいませんが、スーパーチームです
日本女子バスケットボールチームのお家芸ともいえる「フォアザチーム」をうまく表現して、選手たちをねぎらい誉めたことばだと思います。
なにしているんですか!
これは、メディアにちょっといじられたことばですね。
実際に使ったのは、決勝のアメリカ戦で流れがアメリカ寄りになった時に出たことばです。
できるはずのことが、試合に飲まれて出来ていない選手に喝!が入ったんです。
でも、これで選手たちは冷静になれたのではないでしょうか?
トム・ホーバスさんの名言のマトメ
日本女子バスケットボールチームの名将トム・ホーバスさんはさまざまな心から出たことばで選手たちを励まし指導してきました。
それは、自分のことばで伝えることの大切さを、何よりも自分の選手だったころの経験を通じて知っていたからです。
東京オリンピック決勝が終わった後に「銀じゃないです」と彼女たちに言ったのは、これからの日本女子バスケットボールチームの可能性を信じているからこそでしょう。
今後は、日本男子バスケットボールチームのヘッドコーチとしてますますのご活躍が期待されます。
心からの応援を送ります。
最後まで読んでくださってありがとうございました