ア―ボリスト松岡秀治さんとはいったい何者なのか?
そもそも、アーボリストとは?
そんな疑問を徹底解説しました。
松岡秀治さんのプロフィール
氏名…松岡秀治(まつおかひではる)
1972年生まれ(2021年7月現在49歳)
所属…(株)ツリーライフサポート・ツリークライミングクラブ“with”
活動エリア…南信州 笠松高原 長野県飯田市北方大原地区
2000年…長野県飯田市に移り住む。(Iターン)
2006年…ツリークライミング開始
2013年…JTCC(Japan Tree Climbing championship)に出士場して入賞。
2014年…この年まで森林組合技能職員として勤務。
ツリーライフサポート創業。最近では、トレーナーとして樹木上スキル及び安全管理などのセミナーを開催。
樹衛士アーボリスト有資格者(ATI認定)・ツリーワーカークライマースペシャリスト有資格者(ISA認定)・フォレストリーダー5041号森林インストラクター
アーボリストとは?
『アーボ』⇒ラテン語で『高い木』を意味するそうです。
つまり、『アーボリスト』とは、樹上のアスリート、数十メートルもの高さがある木に登って樹木の剪定やメンテナンスを行う専門家のことです。
単に高い木だけでなく、水害で崩れた斜面や古木などの一般的な林業の方では難しい木の手当や管理を行います。
国際的な資格で日本にはまだ数名ほどしかいません。
松岡さんのそのお一人なんですね。
また、古来日本には『空師(そらし)』といって森林を守るお仕事があったようです。
大変な技術と知識が必要な点では同じかもしれませんね。
松岡さんは『アーボリスト』という日本では新しい森林と関わるお仕事だけでなく、日本のもともとあった伝統的な木登りの技法についても大切にされているようです。
アメリカであったアーボリストの世界大会では『振り縄』という昔からある日本の技術を用いています。
この時に大変な賞賛を浴びたそうです。
ツリークライミングとは?
松岡さんが森林に親しんで欲しいと行っている『ツリークライミング』
これは自然に生えている木を使って楽しむアウトドア・アクティビティ。
もともとはアメリカのアーボリストたちが開発した高い樹木の作業を安全に行うためのものでした。
専用のロープとハーネスと呼ばれる安全ベルトを装着して行います。
この専用ロープとハーネスがあれば、松岡さんたちのように、すいすいと木に登れるんだとか。
ハーネスでしっかりと体が守られているため、ロープから手を離しても落下しません。
しかも、コツさえつかめば特別な技術や体力は必要なく、足の力だけで登っていけるので老若男女関係なく楽しめるのだそうです。
何だか、私にもできそうな気がしてきました。
ツリークライミングは単なる木登りではなく、気の上という非日常的な環境で体験できる世界は限りなく広がっていきます。
木の上でユラユラと揺れたり遠くの景色を楽しんだりと、何だかワクワクします。
自然と一体になる体験、とっても素敵ですね。
夏休みなどはあちらこちらで『ツリークライミング』の体験が行われているようですので興味のある方は是非一度体験されてみるといいかもしれません。
松岡さんの語ってくれた林業
松岡さんは現在の林業についてこんな風におっしゃっています。
「林業に従事する人が不足している。高齢化も進んでいる。そして、管理不足からなる悪循環に陥っている。林業が経済活動を行政に頼ったままで民間の活力に乏しいため、若い人が夢を持ちにくい業界となっている。」
これは林業でけに限ったことではなく、今、様々な職種で同じようなことが起こっていると思います。
しかし、松岡さんは「夢を持てる仕事、そして林業にすることが何より大切だ。」と言います。
「木や森の植物は根っこが微生物や菌類同士、枝や葉も互いにインターネットのようにリンクしている。」
「僕たちが見えていないだけで、木はたくさんのメッセージを発信し、互いにコミュニケーションしているらしい。」
「宮崎駿監督の『もののけ姫』など、木はヴィヴィットに生きているという考えが表現されていると思います。」
そんな風に語る松岡秀治さん。『森林を愛し、日本の森林を守る』そんな方のしっかりと未来を見据えたことばが素敵ですね。
松岡秀治さんまとめ
松岡秀治さんは日本ではまだ数名しかいない森林を守るスーパーな専門家『アーボリスト』
これからの日本の林業を守るために『ツリークライミング』などで老若男女に森林の自然の素晴らしさを、そして夢を持てる仕事としての林業を若い世代の人たちに伝えようとしている方でした。
危険なお仕事ですが、これからもお元気でご活躍されることを心からお祈りいたしております。