10月17日放送の「世界の果てまでイッテQ」で宮川大輔さんが挑戦するお祭りは、奈良県御所市の鴨都波神社の『ススキ提灯献灯行事』です。
鴨都波神社は地元では「鴨の宮」さんとして親しまれています。
その、「鴨の宮」さんのお祭りである『ススキ提灯献灯行事』は、提灯に灯がともった様子が夜の闇に煌々と映えて、とても幻想的で勇壮な感じがします。
今回は、『ススキ提灯献灯行事』について、いろいろと調べて見ました。










『ススキ提灯献灯行事』とは?
鴨都波神社の『ススキ提灯献灯行事』は奈良県指定の無形民俗文化財です。
旧御所町と東松本地区・竹田地区・南十三地区・蛇穴地区・元町地区の氏神様である鴨都波神社に提灯を奉納する行事をいいます。
祭りは年に2回
『ススキ提灯献灯行事』は夏祭り(7月16日)と秋祭り宵宮(10月体育の日の前々日の土曜日)の2回行われます。
夏と秋の、この2日は「五穀豊穣・家内安全・無病息災」を祈って、氏子さんのいる地区から30基にも及ぶ「ススキ提灯」が奉納されるのです。
お祭りのある時期から見ると、田んぼの稲の刈入れ前の豊作祈願と、刈入れ後のお礼なのでしょうね。
全国的には、五穀豊穣の祈願かお礼のどちらかで大きなお祭りが開かれることが多いので、祈願とお礼のどちらともに同じ形式のお祭りが開かれるのは珍しいと思います。
ススキ提灯とは?
各地域の自治会や若衆会が、提灯の飾られた神輿を回したり肩に担いだりして大いに盛り上がります。
この際に使われるススキ提灯は、2間半(4.5m)の竹製の支柱に横木を4本通したものを紐で先端部分から連結します。
その上に高張提灯を、上段2・中段4・下段4の合計10組み立てます。
先端部に御弊を飾ると出来上がりです。
この形を「稲穂そのものの形」と称して『ススキ提灯』と呼ばれています。
奈良県では、このような提灯を積み上げた形を、稲積みの形としてススキとして呼ぶところは多いそうですが、『ススキ提灯献灯行事』のように「稲穂そのもの」として捉えている所は珍しいそうです。
各自治会の提灯が勢ぞろい
『ススキ提灯献灯行事』の各位自治会の提灯は基本的に地区の名まえが入っているものなのですが、よく見ると紋や恵比寿さんのお顔が入っているもの、朱でポイントが入っているものなど、なかなかに個性的です。
鴨都波神社ススキ提灯マップなるものがあって、鴨都波神社から各地域の提灯の飾っている場所が分かりやすく書かれています。
お祭りを見学に行った際には、鴨都波神社でお参りをした後に夜の提灯奉納までに散歩がてら見て回るのも楽しいのではないかと思います。
鴨の宮「若衆会」とは?
今回、宮川大輔さんが参加されたのは、この鴨都波神社の「若衆会」と思われます。
実は『ススキ提灯献灯行事』も地方のご多分に漏れず、担ぎ手不足で35年の間、ススキ提灯を台車に乗せてのお祭りでした。
しかし、
「大神輿を担ぎたい!」
という思いで平成5年に町おこしとして「神輿担ぎ」が復活されました。
一度、無くなったものを復活させるのは、とても大変なことです。
地域の方たちの一生懸命な情熱が感じられますね。
大神輿と小神輿
大神輿は男性40人くらいが交代で担ぎます。
そして小神輿は女性16人が交代で担ぐのです。
神輿を公的に女性が担げるというのも珍しいですね。
また、鴨若鼓といって、大太鼓・宮太鼓・平太鼓・桶太鼓・締太鼓・篠笛・鉦・チャッパなどで編成されたお祭り盛り上げ隊もあります。
氏子なら誰でも参加できる
この若衆会は
- 鴨都波神社の氏子(地域の方)
- 青年(18歳~50歳)
- お祭りが好き
- 一度みこしを担いでみたい
- 自分たちの町を魅力あるものにしたい…など
男女問わず仲良くワイワイ楽しくしています。
伝統あるお宮さんの行事に地域の若手の方が集まって参加するっていいですね。
『ススキ提灯献灯行事』マトメ
奈良県御所市の鴨都波神社の『ススキ提灯献灯行事』は奈良県指定の無形民俗文化財です。
五穀豊穣・家内安全・無病息災を祈ってススキ提灯が各地区から鴨都波神社に奉納されます。
担ぎ手不足のために一度は台車に乗せて奉納していた提灯も、氏子さんたちの熱い思いで平成5年に大神輿が復活しました。
- 同じ形の祭りが夏と秋の2回に行われる
- 提灯神輿自体が稲穂そのものの形をしている
- 女性も神社公認で神輿が担げる
という日本でも珍しいお祭りです。
これからも、「鴨の宮」さんのお祭りが地域の方に愛され続け、ますますの盛況でありますようにお祈りいたしております。
最後まで読んでくださってありがとうございました。