「Quiet Please(お静かに)」
と、いう審判のコールから試合が始まるゴールボール。
パラリンピック独自の種目であるゴールボールは、視覚障がいのある人が鈴の入ったボールの音を頼りに体全体を使って3on3で行う球技です。
そのため、観戦をするときは静かに音を立てずにすることが鉄則。
2020東京パラリンピックで金メダルを狙う、日本女子ゴールボールの若きセンター安室早姫選手の武器は鋭い聴覚で相手の些細な動きを察知することです。
金メダルの期待がかかる安室選手のプロフィールや視覚障がい、それを支えてきたお母さんについて調べて見ました。




安室早姫選手のプロフィールと経歴
名前…安室早姫(あむろさき)
生年月日…1993年3月5日生まれの28歳(2021年8月現在)
出身地…沖縄県八重瀬町
学歴…筑波大学付属視覚特別支援学校⇒明治大学法学部
所属…SMBC信託銀行・チーム付属(筑波大学付属視覚特別支援学校)
ゴールボールポジション…センター、ライト
東京に出て見たかった安室選手は、高校から寮生活をしています。
大学は一般入試での入学と言いますから、お勉強も良くできたんですね。
おもな戦績
2015年
- アジアパシフィック選手権大会(中国)⇒1位
2016年
- ジャパンパラゴールボール競技大会3位(JAPAN Bチーム)
2017年
- ジャパンパラゴールボール競技会⇒1位
- アジアパシフィック選手権大会(タイ)⇒1位
2018年
- 日本ゴールボール選手権大会⇒4位
安室選手にとって、ゴールボールの魅力は?
ボールの鈴の音を始め、声や気配からゲームの状況を想像して攻防を組み立てるゴールボール。
安室選手は「サーチした情報をもとに組み立てた攻撃を実践して、思い描いたとおりに得点できた時が最も楽しい。」と言います。
また、ゴールボールはプレーヤー全員が目隠しをして何も見えない状態になります。
つまり、視覚障がいの重さ軽さに左右されず、みんなが同じ条件で試合をすることが面白いそうです。
ゴールボールはライトとレフトの両側から攻撃することが一般的ですが、安室選手はセンターからも攻撃します。
どんな些細な音も正確にキャッチして、瞬時に相手の動きを読み速攻で得点することのできる安室選手ならではの動きに、固唾をのんで見入ってしまいそうですね。
ゴールボールを始めたきっかけ
ゴールボール自体は中学から体育の授業であるので、安室選手も授業の一環としてしていました。
高校に入学してから、体育の先生が授業で安室選手がゴールボールをしているのを見て、ボールの音を聞いて反応する力が飛びぬけていたことから、本格的に取り組むことを勧めたのだそうです。
コールド負けして悔しかった
安室選手は体育の先生の勧めでゴールボールを始めます。
でも、実は大学に入ってからは、ゴールボール以外にもフロアバレーやグランドソフトボールなど、視覚障害を持つ人のための他の球技をしていました。
そして、ゴールボールの試合に出たときに、当時一番強いチームと対戦します。
そこで、なんと、コールド負けをしてしまいました。
もともと勝気な安室選手は「あのボールを全部取りたい」と、悔しさをバネにゴールボールに真剣に取り組みます。
大学3年の時には、ゴールボールのナショナルチームに入っていてユースの大会に出場していたのですから、素晴らしいですね。
安室選手が尊敬するのはお母さん
安室選手は1歳のころには、もう視力はなかったそうです。
どうして、視力がなくなってしまったのかについては、詳しい資料がなくわかりませんでした。
視力のない安室選手をいつも前向きに明るく支えてくれたのはお母さんでした。
安室選手はそんなお母さんのことを、とても、尊敬しています。
視覚に障がいのある娘を高校生で一人、沖縄から東京に進学させていることからも、
安室選手のお母さんがいかに安室選手を信じてやりたいことのサポートをされてきたのかがよくわかります。
リオデジャネイロパラリンピックの選考に漏れて、落ち込んでいた時もお母さんが
「東京パラリンピックの出場をめざしていたんでしょ。早姫はこれからだよ。」
と、はげましてくれたのだそうです。
ゴールボールを少しでもたくさんの人に知ってほしい
安室選手はパラスポーツであるゴールボールの知名度の低さを、あげていきたいと思っています。
そのためには、自分たちがどんどんと社会に出ていくことが大切だと感じています。
それには『パラリンピックでゴールボールというスポーツが金メダルをとった』と知ってもらうことが一番と言います。
「できるようになりたい」と、常に自分でチャレンジしてきた安室選手の胸に金色のメダルがかかりますように!
心は熱く、表は静かに応援したいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。